【NESTA要約】ではパーソナルトレーナーの教科書の要約をしていきます。
NESTA-PFTの資格取得を目指している方は、こちらの記事を見ることによって、教科書の予習復習に役立ててください。
また、パーソナルトレーナーに興味がある方も、参考にしてもらえればと思います。
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筋系について
筋系は、運動による影響を最も受けるシステムです。
筋の収縮と、弛緩するメカニズム、それらが動作にどのように対応するか、基礎的な部分を学んでいきます。
筋系の構造
筋は収縮することで体の動きを発生させます。
その中でも、自分の意志で動かすことの出来る筋と、動かすことのできない筋があります。
ポイント
自分で意識して動かすことの出来る筋を「随意筋」
自分で意識して動かすことの出来ない筋を「不随意筋」
また、収縮する構造が縞模様(しまもよう)している筋を「横紋筋」、していない筋を「平滑筋」と言います。
骨格筋と筋の基本的な構造
骨格筋は骨に付着しており、骨格筋が収縮することによって人は動作をすることが出来ます。
人体は600以上の筋がありますが、そのうちの400は骨格筋で構成されています。
筋はそれぞれ筋膜で束ねられており、もともとは一本づつ独立した組織です。
束ねている筋膜は3段階の膜があり「筋内膜」「筋周膜」「筋外膜」と別れています。
骨格筋は長い筋繊維の束で構成されており、筋繊維は筋原線維という微細繊維が束になっています。
さらに筋原線維はサルコメア(筋節)に分かれており、これが最小の単位になります。
大きさ順名称
※赤字は繊維・束をまとめている筋膜
サルコメア(筋節)
< 筋繊維
< 筋内膜
< 筋繊維
< 筋内膜
< 筋束
< 筋外膜
< 筋
筋繊維への電気信号「活動電位」
筋繊維は、「運動ニューロン」からの電気信号を受けることで収縮します。
この電気信号のことを「活動電位」と呼びます。
電気信号は筋繊維に付着している「運動終盤」から伝わります。
イメージとしては
・運動ニューロン=電気スイッチとかコントローラー
・活動電位=電気
・運動終盤=電気ケーブル
・筋繊維=電化製品
のような関係で、筋繊維へ電気信号を流すことで、人は動作します。
動作における骨格筋の役割と名称
■主働筋=動作の中で中心的に動く筋
■協働筋=動作の中で補助的に動く筋
■拮抗筋=主導筋の動作方向とは反対方向への動きを生み出す筋
■固定筋=動作の中で近くの筋を安定させるために動く筋
■中立筋=動作の中で、人体において損傷を与える方向への動きをしないための筋
主働筋や協働筋、拮抗筋あたりはトレーニングをしていると出てくるワードですが、そのほかの固定筋、中立筋はあまり聞かない筋です。
メニューを考える際もこれらの負担度合いを考えて構成する必要があります。
ベンチプレスを例にすると
■主働筋=大胸筋
■協働筋=三角筋前部、三頭筋
■拮抗筋=三角筋後部、二頭筋
■固定筋=回旋筋腱板
■中立筋=
という感じでメインと考えられる大胸筋以外に多くの筋が働いており、押す力を作るとともに「押されない」「安定させる」というような働きをしています。
運動における3つの筋繊維タイプ
人体の筋繊維は大きく3つのタイプに分かれています。
【タイプ1 繊維】
遅筋:赤筋(細い筋肉)
持久力があり、マラソンなどの持久力系のスポーツ選手に多い繊維になります。
3分以上の持続的な動作に活用されます。
毛細血管とミオグロビン(酸素供給を促進する)が豊富で脂肪燃焼を促進するミトコンドリアも豊富です。
【タイプ2A 繊維】
速筋:ピンク筋(中間の筋肉)
上下の中間のタイプになり、色もピンク色になります。
30秒から2分程度の平均的な運動に活用されます。
また、この中間の筋肉は運動によって変化し、持久力が必要であれば赤く、パワーが必要な場合は白く変化します。
【タイプ2B 繊維】
速筋:白筋(太い筋肉)
爆発力、瞬発力に優れており、筋肥大をする上で重要なタイプになります。
主働筋として働くケースが多く、この繊維が多い人はウェイトリフティングや短距離走、跳躍系のスポーツに向いています。
ボディメイクをする上でメインで鍛える筋繊維となります。
主に有酸素トレーニングではタイプ1を、レジスタンストレーニングではタイプ2A、2Bを鍛えられます。
もともとの遺伝での繊維はありますが、スポーツや生活、トレーニングの経験によって適応・変化します。
筋の活動名称
基本的には収縮と弛緩の動きをしますが、より細かく分けた名称があります。
■短縮性(コンセントリック)
一定の張力を発揮しながら筋肉を短縮させる
・負荷を持ち上げる、加速するなど
⇒バイセップカールでダンベルを持ち上げる
■伸張性(エキセントリック)
一定の張力を発揮しながら筋肉を伸ばす
・負荷を下ろす、減速をコントロールする
⇒バイセップカールでダンベルを下げていく
■等尺性(アイソメトリック)
筋が長さを変えずに張力を発揮している状態
・キープする、上げ続ける
⇒バイセップカールでダンベルを同じ場所でキープする
■等張性(アイソトニック)
筋肉が長さを変化させながら、一定の張力を発揮している状態
■等速性(アイソキネティック)
一定の速度で筋肉が張力を発揮している状態。
運動速度を一定にすることのできる油圧マシンなどが必要になる
筋の強度と持久力
筋のパフォーマンスについて、シンプルな重量を上げるパワーだけではなく、様々な視点があります。
トータルでのパフォーマンスを考えたときに、大きく4つの種類に分けることが出来ます。
■絶対強度
体重を要素考えずに、最終的に発揮された最大筋力を指します。
「重いから力が強いんでしょ」ではなく「力を強くするためには重くする必要もあるよね」という感じです。
砲丸投げやアメフトのラインマンで考えられることが多く、体重が競技のパフォーマンスと深い関係にある際に活用されます。
■相対体強度
体重あたりの最大筋量を指し、体重や体格が制限されたり、階級があるため重視されるスポーツにおいて関係があります。
「指定された体重の中で最大限の力を発揮する」「その体重ならこのくらいの力強さまで行ける」という感じです。
■筋持久力
長時間、筋肉の収縮運動をするための能力を指します。
高強度ではなく、サイクリングなどの中程度の運動持続に必要とされます。
■仕事率(パワー)
物理的に「力×距離/時間」の方式で考えられます。
パワーの定義は重いものを上げるだけでなく、重量、距離、速さで計り、仕事率を向上させるためには
力を増やす、距離を長くする、時間を減らすの3つの方法があります。
物体を「ゆっくり短く」動かすよりも「早く長い距離」動かすほうが仕事率は高くなります。
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