【NESTA要約】5:「神経系」構造と機能、トレーニングについて

 

【NESTA要約】ではパーソナルトレーナーの教科書の要約をしていきます

 

 

NESTA-PFTの資格取得を目指している方は、こちらの記事を見ることによって、教科書の予習復習に役立ててください。

また、パーソナルトレーナーに興味がある方も、参考にしてもらえればと思います。

 



【前回の記事】

【NESTA要約】4:運動生理学とは?運動連鎖とは?神経・筋肉・骨の概要

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神経系について

神経系は体を動かすための「司令塔」となり、運動の仕組みの中で一番最初に活動を開始する場所になります。

 

神経信号の伝達をおこなう「神経細胞」または「ニューロン」が関与しています。

歩くために足を一歩前に出そうと考えたときに、まずは神経系が反応し、その動きを担当している数と種類の筋肉に指令を出します

その際に、どのくらいの歩幅、踏み込みの強さ、速さ、バランスなどを瞬時に判断し、的確な指令を筋肉へ送るのです

 

実際の運動プログラムにおいても、神経系の反応を強くすることでクライアントの運動効率を高めることが出来ます。

パーソナルトレーニングを行う上で、ウェイトトレーニングや自重での動きがメインになってきますが、普段の生活の中で行わない動作もあります。

そういった動作を行う際は、神経系が育っていないので動作に対しての判断に誤りが発生することがあり、その時にケガをしてしまう可能性もあるので、注意しましょう。

 

 

神経系は「中枢神経系」と「末梢神経系」の2つ

 

 

神経系は「中枢神経系」と「末梢神経系」の2つに大別されます。

中枢神経系(CNS)

脳と脊髄から構成され、神経からの信号に対して情報の統合、修正、制御を行います。

「根本の指令を出す神経」

末梢神経系(PNS)

中枢神経の周りに存在する神経系で、「体性制神経」と「自律神経」の2体系に分けられます。

「中枢神経からの指令に応じるための者たち」

 

 

中枢神経系は1つ、末梢神経系は2つに分かれて、さらに分かれる・・・

 

 

この図のように中枢神経は、唯一無二一つだけの存在ですが、末梢神経は、枝分かれして各部門で役割があります

会社で言えば中枢神経系は「社長」、末梢神経系はそれぞれ課に分かれているといった感じですね

 

 

まず最初に末梢神経は2つに分けられます。

それが「体性制神経系」と「自律神経系」の2グループ!

そして2つの派閥はさらに2つの神経系を持っています。

 

 

体性制神経グループ

体性神経系

身体で感じた刺激などを中枢神経系に伝えたり、運動ニューロンを通して実際に体を動かします。

 

そしてその部下に「感覚神経」「運動神経」

 

【感覚神経】

身体の感覚受容体で受けた刺激を中枢神経系に伝えます。

主に5つの感覚を伝達していて

1.機械刺激受容器=圧迫、振動、伸縮の刺激を感じる
2.温度受器=温度変化に関する刺激を感じる
3.痛覚感受器=損傷による刺激を感じる
4.光受容器=光刺激を感じる
5.化学学受容器=科学分子からの刺激を感知(味、臭い、酸素濃度、血中二酸化炭素、電解質濃度変化)

これを感知し、中枢神経へ報告することで、安全性や危険性などを判断するセンサーのような役割を担っています。

このセンサーの質を高めるためには、様々な活動をすることによる経験を積む必要があります。

 

 

 

【運動神経】

中枢神経系から受けた指令を筋肉に伝え動かす役割を担っています。

この時に中枢神経系から出される指令情報の質が高いと、それだけ正確な動作をすることが出来ます。

 

スポーツが出来ると「運動神経がいい!」といわれることがありますが、一般的にはスポーツに対するセンスがいいことを指しています。

しかし、実際の運動神経という用語はセンスというよりも、その動作をイメージしたまま的確に、動作に対する効率が良い状態で出来ることを指します

 

 

そのためには、反復練習をすることによる、感覚神経へ刺激を重ね学習することが必要になります。

※反復練習においても、考える力や、これまでの経験による感覚神経の発達度合いによって新しい動作の習得に差が出ます。

 

 

 

自律神経系グループ

自律神経系

身体の中での「不随意機能」をコントロールします。

心拍数、血圧、呼吸数などを主にコントロールし、身体が活動の限界を超えないようにします。

そして部下に「交感神経」「副交感神経」

交感神経

「闘争」と「逃走」の反応をする神経と知られ、エネルギーを消費して、それぞれの状況に応じた対応をする準備をします。

血圧の上昇、心拍数の増加、消化の抑制などを行いますが、これは人間が下記の動作を行う上で万全の状態を作るためになされることです。

「闘争」=戦うために、すぐに攻撃が出来る、素早く動ける、ダメージを受けてもひるまない

「逃走」=逃げるために、早く動けるようにする、相手・周囲の情報を得るために目と耳からの情報を集中させる

現代の日常ではあまり感じることがないと思いますが、よくあるものとして「怒る」際には攻撃=「闘争」のスイッチが入り心拍数、血圧に変化が起きます。

また、急に大きな音が鳴るとびっくりすると思いますが、その時にも「逃走」のスイッチが入り感覚が研ぎ澄まされます。

 

 

副交感神経

「休息」と「消化」の反応をする神経になります。

交感神経と逆で、動作する必要がなく体の回復のためエネルギーを蓄え、修復をする際に働きます。

 

 

交換神経=「動く」、副交感神経=「休む」というざっくりとした分け方が出来ますが、

この二つのバランスが崩れると「自律神経失調症」となり、動くべき時に副交感神経が優位になったり、眠りたいときに交感神経が働いてしまったりすることで

精神的にも肉体的にも自分の思いと異なった体の働きをしてしまいます。

 

 

トレーニングは神経系から

神経系の働きは、与えられてきた刺激によって異なります。

サッカーをやってきた方であれば腕よりも足を動かすことが得意ですし、野球であれば脚よりも腕のほうが器用に動かすことが出来るでしょう。

ピアノをやってきていれば指を動かすことに秀でているでしょう。

 

これらはその与えられてきた状況に順応してきた結果となります。

トレーニングにおいても、最初は動作に不安定さがあったとしても、それを反復し刺激を与えていくことで体と脳は記憶をしていき、安定した動作になっていきます。

 

 

神経系と筋系の情報伝達がされることによって成長をしていくのですが、この情報伝達は動作を始めた最初のほうが活発に行われます。

そのためトレーニングをしている方の中では「初心者ボーナス」というものがありますが、最初の1年くらいは成長が強く見られます。

 

これはもともとある程度重量を上げることが出来る筋力を持ってはいるのですが、神経系が発達していないため、

身体がウェイトトレーニングに対しての動きがわからないので発揮することが出来ていないのです。

神経系が筋系とリンクしていくと、筋力をフルに発揮することが出来るようになるので、最初のうちはハイスピードで成長することが望めます。

 

 

パーソナルトレーニングにおいても、通常であればウェイトトレーニングになれていない方が来るケースが多いでしょう。

であれば、まずはそのクライアントの神経系を成長させることからスタートし、動作の安定を目標にしましょう。

 

そのために、クライアントの運動歴、生活環境などの情報を知り、実際の動作の中でのクセをみて指導します。

 

 

 

 

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